6/22/2014

ハミングバード・リコ 演奏会


2014年6月15日 調布市文化会館たづくり 1F むらさきホール
 
今回30周年記念コンサートとのことだが、大変なことと思う。派手ではなくても地道に魅力ある練習を積み上げてきた結果だろう。

数年前この団体の演奏会を聴いた時は、もう少し人数も少なく、女性だけでこじんまりやっている感じだったが、今回は部員数20名で私の友人を含めて男性が4人程になり、大型低音楽器も増えて、迫力ある音だった。指揮者である古山和夫氏の指導が細部まで行き届いている感じ。

会場と出演者数の関係だろう長方形の会場の長手方向に演奏者達がゆるい円弧状に並び、観客の椅子もそれに向かい合うように並んでいる。同一フロアで、演奏者と観客が近く親近感がある。音量バランスの問題が出るかも知れないが、私は中央より右寄りの低音楽器近くに席をとったので全く問題がなかった。

W.バード「5声のブラウニング」はちょっと平板な演奏で、期待していただけに残念。せっかく指揮者がいるのだから、もう少しメリハリが欲しい。そうでないと難しそうな曲がただ流れてゆくだけで終わってしまう。
M.フリーデック「様様な様式の誕生日おめでとう」(ハッピバースデーの曲)もう少し遊びの部分を強調したほうが楽しいのではないか。エルガーの曲などは観客席から笑い声が上がった。ベートーヴェンは省略されたらしいが、ぜひ聴きたかった。

テレマン組曲イ短調より「プレジール」は良かった。指揮をしている古山氏が観客席にクルリと向き直り リコーダーオーケストラをバックに演奏。アルトリコーダーのソロは素晴らしかった。高音も無理なく出てさすがのテクニック、しかしそれだけではなかった、次の曲はヘンデルのオンブラ・マイ・ フ。プログラムにはソロのことは書いてなかったのだが、楽譜の間からソプラノリコーダーを取り出して演奏を始めたのだ。弱音からビブラートを伴ったクレッシェンドで最強音まで吹き上げる。最強音でも音は崩れない。ソプラノリコーダーをこれだけ歌わせるのを初めて聞いた。ひょっとしてこれを披露する為オンブラ・マイ・フを選んだのではと思ってしまう。

最後の「インスブルックよさようなら」H.イザークは安心して美しい和音が楽しめた

いろいろ書いてしまったが、これは聴く方からの勝手な思いであって、演奏する側から考えて見るとちょっと異なるのかも知れない。
観客を喜ばす為練習しているのではなく、自分たちが充実した練習が出来るような曲を選び、その延長線上に演奏会があるわけだ。30年の歴史はその集積の結果だろう。

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